eスポーツの歴史
まずは歴史を知ろう
目の前にいる人としか対戦できなかったかつてのゲームのあり方は、IT技術の進歩によって大きく変わりました。どこにいても世界中のゲームプレイヤーと気軽に対戦が可能になった今、eスポーツは莫大な賞金をかけた本気の戦いが繰り広げられるようになりました。身体を動かすスポーツかそうでないスポーツかの違いであって、そのあり方は従来のプロスポーツのそれとまったく同じものです。eスポーツと聞くと新しく誕生したスポーツのように感じられますが、遡ると1970年代からeスポーツの歴史が始まっていることがわかります。
家庭用ゲーム機の時代
1970年代のコンピューターゲームといえば、現在のような複雑なゲームではなく囲碁将棋やトランプ、ボードゲームなどをコンピューターゲーム化したものが主流でした。いずれにしても対戦型のゲームが多く人気も上々で、アーケードから家庭用、持ち運び用と手段を多様化させながら、対戦で楽しむゲームがどんどん普及していくようになりました。日本で最初にゲーム対戦を鑑賞するというスタイルを実現したのが、ハドソンが開催した「全国キャラバン」です。この頃からゲーム名人を名乗るプロゲーマーの存在が目立つようになりました。
格闘ゲームが大流行
eスポーツといえば格闘ゲームがすぐに思い浮かぶかもしれません。格闘ゲームが大流行したきっかけは、1991年にリリースされた「ストリートファイター2」の存在なくして語れないでしょう。もはや社会現象化したこのゲームは、アーケード型を中心に絶大な人気を獲得していきました。ゲームセンターには対戦見たさの観客が多く集まり、全国各地で大小様々な規模のゲーム大会が開催されるようになりました。ストリートファイター2の人気は日本のみにとどまらず、欧米でも人気が広がりました。eスポーツが盛んになった現在でも、格闘技ゲームは人気が高いジャンルです。
オンラインゲームで新たな流れが誕生する
ストリートファイター2のようなアーケード型のゲームは、ゲームセンターへ出向いてプレイするというのが基本スタイルでした。しかし、その間にジワジワと人気が広まりつつあったのがPCのオンラインゲームです。出会った敵を撃っていくタイプのファーストパーソンシューティング(FPS)や、拠点を築いて兵士を使って敵方の拠点を攻撃するタイプのリアルタイムストラテジー(RTS)は、自宅で1人でプレイしながら世界中のプレイヤーとリアルタイムで対戦できるゲームとしてプレイヤーが急増していきました。プレイヤーが増えればマーケットとしての注目度も高まることから、賞金をかけた大会が開催されるようになりプロゲーマーも多く誕生しました。このようにして、eスポーツに目を付けるスポンサーも急増し、プロスポーツとしての地位が確立されていきました。